フィナンシェ

引用:FiNANCiE

フィナンシェトークン(FNCT)は、FiNANCiEというプラットフォームを活性化させるための暗号資産です。そのため、FNCTについて知るには、まずFiNANCiEがどのようなサービスなのかを理解する必要があります。

FiNANCiEは、ブロックチェーン技術を活用した新世代のクラウドファンディングサービスです。トークンの販売による資金調達に加えて、トークンマーケットによる継続的なコミュニティ運営と手数料収入を得られる点が従来のサービスと異なることから、「新しい・画期的な」という意味を込めて”クラウドファンディング2.0”と呼ばれています。

この項目ではFiNANCiEについて理解するために、FiNANCiEの代表的な機能である以下の2点について解説していきます。

①CT(コミュニティトークン)の発行

FiNANCiEでは、スポーツチームやクリエイターを「オーナー」、オーナーを支援するファンを「サポーター」と呼んでいます。

オーナーは「CT(コミュニティトークン)」を発行・販売(ファンディング)することで、資金を調達しつつコミュニティを形成することができます。

一方のサポーターはCTを購入し、コミュニティのメンバーとなることで、応援するオーナーの活動を支援することが可能になります。具体的には、トークンを保有することでコミュニティ内の投票に参加できるようになったり、メッセージでオーナーに直接意見や思いを伝えたりすることができるようになります。

②CTマーケットプレイス(二次流通)

CTは初期ファンディングによって確定した価格をもとに、専用のマーケットプレイスで取引(日本円と交換)をすることができます。

CTは初期売出以降もこのマーケットで取引できるため、オーナーの活躍によってコミュニティに注目が集まると、CTの需要が高まり価格が上昇することも期待されます。もしCTの価格が上がった場合は、初期にCTを購入したサポーターは売却益を得られる可能性があります。

これまでの実績

引用:FiNANCiE

 

FiNANCiEのクラウドファンディングサービスは、すでにさまざまなジャンルのスポーツチームやクリエイターに利用されています。

以下は、これまでの実績の一部です。

  • Jリーグプロサッカークラブ(湘南ベルマーレ、アビスパ福岡、ザスパクサツ群馬など)
  • 国内男子プロバスケットボールリーグ(横浜ビー・コルセアーズ)
  • ジャパンサイクルリーグ
  • パラスポーツ団体(日本ボッチャ協会)
  • 国内卓球プロチーム(琉球アスティーダ)
  • 国内eスポーツチーム(広島 TEAM iXA)

 

FiNANCiEでは、これまでスポーツクラブのトークン発行をメインに行ってきましたが、今後は国内IEOとグローバル展開を目指して、映画・音楽・ゲームなどのエンタメやグルメなどさまざまな分野を強化していく予定とのことです。

参考:Wantedly 株式会社フィナンシェ「新世代クラウドファンディングサービス「FiNANCiE」とは?」

FiNANCiEとフィナンシェトークン(FNCT)の関係

FNCTはFiNANCiEのプラットフォームトークンとして、スポーツクラブやクリエイターのコミュニティを活性化するサポーターへの更なるメリットを提供することを目的に設計・開発されています。

FNCTは、FiNANCiEで発行されている各コミュニティのトークン同士を効果的に繋げ、FiNANCiE内だけに留まらないグローバルエコシステムを構築する役割を担います。ユーザーへの報酬や優良なコミュニティが継続的に成長するためのインセンティブ、FiNANCiEのエコシステム全体におけるガバナンスへの参加権として活用されます。また、コミュニティを活性化する人が増えるほどFNCTの価値が上がり、その値上がり分が保有者にインセンティブとして還元されます。

CTとFNCTの違い

FiNANCiEプラットフォームでは、CTとFNCTという2種類のトークンが存在します。両者の違いを表にまとめてみました。

   
トークン名CT(コミュニティトークン)FNCTフィナンシェトークン
用途クラウドファンディング2.0で発行・販売されるトークンFiNANCiEのプラットフォーム共通トークン
発行者オーナーFiNANCiEの運営者
特徴ブロックチェーンへの出納には対応していないデジタルアイテムEthereumのブロックチェーン上で発行される暗号資産
使用可能な範囲FiNANCiE上のみ暗号資産取引所など外部サービスでも使用可能
   

用途・発行者に関しては、CTがFiNANCiEでファンディングを行う際にオーナーによって発行されるのに対して、FNCTはプラットフォームの継続的な成長のためのインセンティブ、およびグローバルエコシステム拡張のためにFiNANCiEの運営者によって発行されます。

またその他の特徴としては、CTがブロックチェーンへの出納には対応しておらず、FiNANCiE上のみで流通するデジタルアイテムなのに対して、FNCTはEthereumブロックチェーン上で発行される暗号資産で、暗号資産取引所など外部のサービスでも取引することが可能です。

フィナンシェトークン(FNCT)の3つのメリット

①ステーキングに参加することで報酬が得られる

FNCTの保有者は、所定のスマートコントラクトに一定期間FNCTをロック(ステーキング)することで「ステーカー」となります。そして、ステーカーはステーキング期間を経た後にインセンティブ報酬を得ることができます。

なお、インセンティブ報酬には「バリデート報酬」と「デリゲート報酬」の2種類があります。

※FNCTのステーキングは2023年春にローンチ予定です。

バリデート報酬

FiNANCiE(クラウドファンディング2.0)サービス上で購入・売却されたCTのすべての履歴(ログ)は、「FiNANCiE Lightning」というレイヤー2ソリューションによってEthereumチェーンに記録されます。

バリデート報酬は、そのFiNANCiE Lightningをバリデーションし、トークン価値およびネットワークの信頼性の維持に貢献したステーカーに支払われます。

このバリデーションを行うステーカーを「バリデーター」と呼び、その報酬を「バリデート報酬」と呼びます。バリデート報酬は、FNCT発行上限の42%が割り当てられたコミュニティのアロケーションから支払われます。

なお、バリデーションを実施するバリデーターはロックしているFNCTの量に応じた確率によって選定されます。

デリゲート報酬

バリデーター以外のステーカーは、バリデーターにデリゲート(委譲)することによって「デリゲーター」となり、バリデーターを通じてバリデート報酬の一部を受け取ることができます。これを「デリゲート報酬」と呼びます。

バリデーションの流れやインセンティブ報酬について詳しく知りたい方は、FNCTのホワイトペーパーをご覧ください。

②ユーティリティ性が高い

 

FiNANCiEのプラットフォームトークンであるFNCTには、主に以下の4つの用途があります。

  • ガバナンス
  • CT購入(消費)
  • グレード特典
  • コミュニティドネーション

ガバナンス

FNCTのステーカーは、FNCTエコノミーを成長させるためのガバナンス(投票活動)に参加することができます。投票活動は不定期に実施され、専用のWebサイトやSNS等を通じてFNCT保有者に事前告知されます。(2023年春ローンチ予定)

CT購入(消費)

FNCT保有者はCTの初期売出期間等において、FNCTを使って、CTを購入する際に必要となるFiNANCiEポイントを決済することができます。このようにFNCTをFiNANCiEポイントを購入する際の決済手段として使用することで、通常よりも多くのCTを購入でき、FNCT保有者にとってメリットがあります。(2023年内にローンチ予定)

グレード特典

FNCT保有者がその保有数を宣言することで、保有数に応じた特典を受けることができる機能です。保有数が多いほど高いグレードが付与され、FiNANCiE上の決済においてグレードに応じた優遇を受けられる仕組みです。(2023年内にローンチ予定)

コミュニティドネーション

FNCT保有者が、自身の保有するトークンを特定のコミュニティに寄付できる機能です。

対象コミュニティと量を指定して寄付すると、そのコミュニティのオーナーが設定する受け取り用のウォレットに指定された量のFNCTが直接送付され、寄付の事実がFiNANCiE上に記録・表示されます。(2023年内にローンチ予定)

参考:FNCT White paper

③BuybackとBurnの計画がある

FiNANCiEではFNCTの流通量調整と価値の下支えのため、四半期に一度、市場からFNCTを買い上げる(Buyback)計画を立てています。

買い上げの原資はFiNANCiE(クラウドファンディング2.0)のCTマーケットプレイス取引手数料の内、発行者が収受する収益の20%を上限とします。Buybackのスケジュールおよび実績については、専用のWebサイトにて報告・開示される予定です。

引用:FNCT White paper

BuybackしたFNCTの一部は報酬プールに移され、残りはBurn(焼却)されます。Burnされる量は、その時点におけるFNCT市場流通量の1%を上限とする予定です。

なお、FiNANCiEが公開したFNCTのホワイトペーパーによると、Burnは総発行量の50%を上限とし、これを超えて焼却されることはないとのことです。また、Burnのスケジュールおよび実績についても、専用のWebサイトにてアナウンスされる予定です

FiNANCiEの今後の展望・ロードマップ

 

2019年3月にローンチしたFiNANCiEは、スマートフォンアプリでサービスを提供しており、そのサービス性の高さから多くのユーザーを獲得しています。

FiNANCiEでは、2023年にはFNCTを発行およびIEO(Initial Exchange Offering)にて販売を開始し、FNCTを利用したステーキングやガバナンス、FiNANCiEサービス利用者向けのトークン配布を開始する予定です。さらに、2023年中には国内のエコシステムを充実させ、クリエイターエコノミーに貢献するユーティリティ提供および、エコシステム拡張が実施される予定です。

以下は、FiNANCiEのロードマップです。

【Ver.0】アプリサービスとして安定稼働(2019年〜)

【Ver.1】FNCT IEO (2023年中頃)

ステーキング・ガバナンス開始

【Ver.1.5】国内エコシステム拡充(2023年内)

スポーツ・クリエイターエコノミーに貢献するユーティリティの提供、エコシステム拡張

*【Ver.2】グローバル版FiNANCiEのローンチ *

【Ver.3】FiNANCiE独自ブロックチェーン(FNBC)の検討

FNBCのネイティブトークンとして運用手数料、バリデータ報酬等に活用

引用:FNCT White paper

前述したように、FNCTはFiNANCiE(クラウドファンディング2.0)のプラットフォームトークンです。そのため、今後FiNANCiEを利用するユーザーが増えるほどFNCTの需要も高まり、価格変動にも影響を与える可能性があります。

FNCTの保有を検討している方は、公式サイトTwitterなどでFiNANCiEの最新情報を定期的にチェックするようにしましょう。

 
 
引用:コインチェック